香川県高松市の中心部から少し離れた、開発中の住宅地に建つ若い夫婦と幼い3人の子供のための家。
全体構成としてふたつの矩形を組み合わせた平屋に2層のヴォリュームを挿入することでこの建物はできている。建具をなくしゆるやかにつなぐことで空間に連続性が生まれると同時に，各ヴォリュームの組み合わせが生み出すズレが寝室やワークスペースといった場所のプライバシーを確保している。また，内部に出てくる銀黒ガルバリウムの壁はただ単に視線を遮っているだけでなく，その壁のもっている強さがよりいっそうそれぞれの場所性を強めており，同じ建物の内部にいながら外部の建物を見ているような，また反対に，内側から外部空間を見ているような距離感を生み出している。
2階は階段が部屋を2分するかたちでワンルームの子供室を形成している。
できるだけ単純な構造ヴォリュームを組み合わせて構成しつつ、かたちや材料をコントロールすることで風が通り視線の抜けるゆるやかなつながりと個別の場所性の両方を兼ね備えた複雑な空間が生まれている。

所在地

香川県高松市

用途

専用住宅

ディレクション

ISOLATION UNIT

構造

木造在来工法

規模

地上2階建て

敷地面積

285.65m²（86.40坪）

建築面積

74.74 m² （22.60坪)

延床面積

106.90m²（32.33坪）　　1階　74.74m²　　2階　32.16m²

竣工

2007年12月

写真

太田拓実