Wa house

周囲を高層の建物で囲まれた都心部に建つ、一戸建ての住宅。
この辺りは防火地域になっており、コストを抑えるため構造は木造で、さらに耐火建築物を避けるという点から、2階建て、延べ面積100㎡ 以内(準耐火建築物)という条件のもと設計を行った。
敷地の形状に合わせて建物を配置し2分割する。片側は天井高さを抑えた機能的な空間を3層に、残り部分は2層の居室中心の空間とする。それらをつなげることで、居室と非居室が交互に繰り返されるステップフロアの構造ができあがる。
天井が高く開放感のある寝室やLDKから半階という距離で現れる水回りや物干しスペースは大変便利な距離間でありながら、プライバシーも守られている。限られた床面積のなかでゆとりある空間を得るひとつの解決策となっている。
外観は密集した街並みの中でも負けることのない存在感を示しつつ、一度建物に入れば、都心の狭小地という敷地環境を忘れさせてくれる、静かでスタイリッシュな空間が広がっている。
都市に建つ住宅としての一つのモデルケースが完成した。

所在地
大阪府大阪市
用途
専用住宅
構造
木造
規模
地上2階建て
敷地面積
61.72m² (18.67坪)
建築面積
50.72m² (15.34坪)
延床面積
85.83m² (25.96坪)
1階 32.91m²、2階 52.92m²
竣工
2020年7月
写真
杉野 圭